修理修復
アンティークフレームの修復
古いフランス製のルイ型額縁の修復をしました。透かし彫りされた角の一部が完全に欠損していましたので、新しく成型する必要がありました。
欠損も無く、状態の良い他の角部分を型取りします。
粘土とパテで大まかの型取り後、欠損に合わせ削り、細かな部分彫刻して柄を合わせます。
下地着色した後、補修材を幾つか混ぜ合わせほぼ遜色なく復元できました。
低反射のミュージアムアクリルを入れ、むき出しだった裏側も仕上加工もして保存額装の完成です。
石膏と金箔押しで修復する本格的なやり方と今回のように簡易的なやり方と修復方法は幾つかあります。修復代も状態や施工方法によって大きく変わります。規格サイズ額縁の場合は、新しく買い替えた方が安く済む場合もありますが、貴重なアンティークフレームやお気に入りの額縁は修理をして残しておきたいものです。
古い油絵・額縁の修理修復
今回お客様よりお預かりした絵画は、祖父の代から家に飾ってあったという西洋油絵です。しかし、昔ながらにガラス、裏板等のダストカバーが一切付いてはいませんでした。当然に埃、油汚れ、ヤニなどが付着しておりました。油絵の艶もなくなり、作風も見えずらくなっていましたが、幸いにも表面の剥離や亀裂等も少なく、汚れ以外は比較的良い状態でありました。
左は元の状態、右は洗浄後
洗浄後に作家のサインが見えてきました。
裏側も洗浄して、裏書が見えるように額装しました。内部も保存重視の仕様にしております。
欧州製の古典額縁も相当傷んでおりました。石膏、パテ埋め、ゴールドフィンガー等の着色をして時代風に修復します。
ダストカバーは低反射のミュージアムガラスを新調しました。背景の暗い絵画は、通常ガラス(アクリル)を入れても反射して見えずらくなってしまいます。
絵画の修復は程度によってやり方を変えています。比較的キャンバスに損傷もなく、剥離とかの心配がなければ水洗いを基本に洗浄します。著名画家の場合や損傷が激しい場合は専門家に依頼することもあります。
代々受け継がれた大切な芸術品は現代の修復によって見事に蘇ります。そして更に長期間の保存が可能になります。対価は多少かかりますが、どうぞご相談ください。
古い日本画・額縁の修理修復
屏風、襖絵、衝立などの日本画はとても傷みやすく、表面にガラスやアクリル板のダストカバーが付いていません。絵画がむき出しの状態ですので埃や汚れが付きやすいく、保存や取り扱いにとても注意が必要です。更に本体が障子のような骨組みでできていますので、突くと当然穴が開いてしまいます。
お客さまよりお預かりした時の状態です。「虎図」がかなりの傷み方でした。
裏面も、廻し縁も傷んでおります。
それぞれの作品を丁寧に剥がし、裏打ちして破片を繋いでいきます。
衝立の縁も外して、補修研磨、再塗装をします。
修復が完成して戻ってまいりました。
衝立仕立て、屏風仕立て、掛軸仕立て、扁額など伝統和額装のほとんどが修復修理にて見事に蘇ります。どうぞ何なりとご相談ください。
古い掛軸が仕立て直しで、とても綺麗に直ってきます。
掛軸をずっと掛けたままでいますと、少しずつ汚れや染みが付いてきます。また、桐箱に閉まったまま長く放置してもよくありません。
いざ掛軸を解いて広げたり、家を新築やリフォームした時に改めて作品が染みだらけになっていた事に気が付きます。
当店に持ち込まれた表装依頼は、信頼のできる専門職人に発注を出します。
掛軸の仕立て直しは、まず古軸からの剥がしから始めなくてはなりません。破損のある作品は特に注意しながら作業します。
そして剥がした後に、ご希望により作品の洗い、しみ抜きをいたします。
この作業は作品の状態により手間が違って高額にもなりますので、表装職人に現物を見せてから、別途お見積りを致します。古い作品はその良さも残しつつ、染みや汚れ、破損等が見事に綺麗になって戻ってきます。
以下、幾つかの事例をご紹介いたしますので、ご参考下さい。
・仕立: 仏表装仕立て
・新軸装代 105,000円 新桐箱付 *作品剥し、染み抜き代込み
書の古軸を持込みされた時の状態です。折れ皺もあり、紙もかなり焼けていました。
・仕立: 丸表装
・新軸装代 15,000円
・作品剥し・染抜き代 30,000円
●合計 45,000円
・仕立: 丸表装風帯
・新軸装代 80,000円 新桐箱付 *作品剥し代込み
お客様のお気に入りの水墨画「虎図」ですが、経年と共にかなりの染みが出てきました。
絹地作品の染み抜きはなかなか難しいのですが、味わいが残されたまま染み抜きできました。
左画像が染み抜き前、右画像が染み抜き後です。(クリックで拡大します)
・仕立: 三段表装風帯
・新軸装代 26,000円
・作品剥し・染抜き代 34,000円
●合計 60,000円
お客様が幼少ころから思い出のある「立雛」の掛軸。50年以上は経過していると言っておりました。
桐箱には保管されていましたが、表装はすでに劣化しており、本紙自身にも相当な染みが出ておりました。
絹地に描かれていた日本画絵の具は剥離もなく、大切な顔の部分にも目立つ汚れがありませんでしたので、比較的きれいにしみ抜きができました。
左画像が染み抜き前、右画像が染み抜き後です。(クリックで拡大します)
・仕立: 三段表装風帯
・新軸装代 20,000円
・作品剥し代 13,000円
・作品染抜き代 33,000円
●合計 66,000円
*表記価格に別途消費税がかかります。
*作品の状態により染抜きができない場合や、価格も変わってきます。
お手持ちの掛軸、額装品の作品に染みが出始めましたら、早めに仕立て直しをされた方がよいでしょう。
その分費用も軽減されますし、きれいになって戻って参ります。
お気軽にお問い合わせください。