額装関連・資材品のご紹介

額縁の塗装って、意外と難しいのです!

まず、何が難しいと言えば、何色に塗装すのか?
どのような塗料が適しているのか?
刷毛塗り?吹き付け?
どの箇所から塗っていくのか?

色に関して一般的には、木地色からブラウン系、白黒系が多いですが、赤、青、黄色など自由な色でもよいと思います。ただ、額縁の場合は中身の絵に合わせなくてはなりません。絵と同系がいいのか、引き締まる色がいいのか、奇抜な色の方が面白いのか・・そんな事を考えてしまうと悩んでしまいます。我々専門家でも絵を引き立たせるためには何色がよいのかと、常日頃から数あるサンプルと突き合わせています。

額縁の塗料に関してですが、水性、油性のステイン系の塗料は材質の木に良く染み込み、木目の強弱を出した味わいを表現できます。木目を見せない塗装にはカシューやアクリル系顔料を使用して、きれいな面塗装する方法と、凹凸や下地色を擦り出した個性的な塗装方法があります。いずれにしましても色落ち剥離せず、耐久に適した塗料を選ぶことが必要です。

単品の細縁の場合は刷毛塗りが適していると思います。数量もあり塗装面積が広い場合や、ムラ塗りを出したくない塗装には吹き付けやスプレー塗りが楽だと思います。刷毛塗りの他にスポンジやローラー等で塗料を均一にのばす方法もあります。また仕上げのクリアーニスだけはスプレーを使う場合があります。

さて、最後にどの場所から塗っていくのがよいかと言えば、非常に難しいです。表面からがよいのか側面からがよいのかは、額縁の形状やサイズ、上記の選択によっても変わってきます。枠組みのまま塗装しますので、額縁の角は塗り重なりになることが多く、そこだけ色濃くなってしまったり、逆に薄くなったしまうこともあります。また、4辺を同じ濃淡で仕上げなくてはいけません。ほかにも端先部分の角は塗りずらい箇所でもあります。

と、長々説明しましたが、ご自身で作る額縁の場合は多少の塗りムラもまた味があってよいです。色々と挑戦してみてください!

一応、私どもの作業も簡単に紹介します。

  
オーク素地材を中心に木地組みしました。額角の微妙な段差や角面取りの研磨で、塗装した後に影響してきます。


“ウォールナット”、“オリーブ”、“ミディアムブラウン”などの色名称の自然素材系塗料にて着色します。オーク材は木目が強く出ますので、『和アンティーク』のイメージなフレームができます。


角塗りは液だれや溜まりになりやすいので注意が必要です。
完成品はこちらです。

 
現代アート額装にもよく似合うウッドホワイト仕上げ。メープル素地材に角は“ちぎり(かんざし)”を入れて組み上げました。水性ステインにとの粉を混ぜて、多少の“粉っぽさ”を残します。
完成品はこちらです。


タモ材枠に2色のステイン塗装をして、色の深みを出します。


特注の吹き付け塗装の額縁です。モール材の見本と同じような型に仕上げましたが、角はつなぎ目が全く見えない職人仕上げです。

当店では、額縁の素地材だけの販売も致しております。棹売り、45度カット売り、組み立て売りから選択できます。
額縁の製作、塗装をご自身でしてみたいと興味がありましたら、こちらも参考にしてみてください。

また、完成品額縁のご希望は、特注塗装額縁をどうぞご覧ください。